【日本RQ大賞インタビュー】悔し涙から感謝の涙へ……織田真実那、目標には届かずも特別賞を受賞「ステージに立てて良かった」

 
 
 2021年にサーキットで活躍した約400名のレースクイーンの中から、No.1レースクイーンを決めるMediBang日本レースクイーン大賞2021。1月15日に東京オートサロンのイベントホールステージで表彰式が行われ、大賞をはじめ各特別賞の発表と表彰が行われた。

 なかには念願の大賞受賞を果たし、ステージで嬉し涙を流すレースクイーンがいれば、各特別賞でステージに登壇するも、目標としていた大賞に手が届かず、悔し涙をみせるレースクイーンもいた。

 そのうちのひとりが、スーパーGTでは2021リアライズガールズ、スーパー耐久では2021D’staionフレッシュエンジェルズとして活躍した織田真実那さんだ。
 

実行委員会特別賞を受賞した織田真実那さん

実行委員会特別賞を受賞した織田真実那さん


 
『大賞は獲得できなかったと報告を受けてと、みんなにすごく協力してもらって、ギリギリまで頑張ってもらったのに、それでトロフィーも何も持って帰れないとなると……。事務所のマネージャーから励ましの言葉ももらったんですけど、何を言われても『うん。うん……』としか言葉がでてこなかったです」

 今回グランプリを目指して投票期間も必死に活動していた。しかし、残念ながら目標を叶えることはできなかった。

 その事実を知って、真っ先に連絡したのが、レースクイーンの同期であり、織田さんの大賞獲得を全力でサポートしていた中村比菜さんだった。

「今回、すごく応援してくれたおひなちゃん(中村比菜さん)に報告した時に、感情が溢れ出て大泣きしちゃいました。おひなちゃんも『本当に悲しい』ってなって、ふたりで大泣きしていました。本当に“絶望”みたいな雰囲気でしたね」

「おひなちゃんはチームが違うのに、自分のことのようになって、みんなに投票を呼びかけてくれました。同じチームのさくちゃん(林紗久羅さん)もいっぱい呼びかけてくれていたので……。賞を獲れなかったこと対して、自分が悲しいというよりも、こうして応援してくれたみんなに申し訳ないという気持ちが大きく出てきました」

 何より織田さんが気にしていたのが、応援してくれるファンのことだった。

「『楽しみだね』とか、『大丈夫だよ』って言ってもらったりして、みんな大賞を獲れると信じていたので、どうやって顔を向けていいのかという感じで『どうしよう……』ってなっていました」

「みんなが私のことを信じて、投票期間中もずっと応援してくれていました。もちろん私もみんなのことを信じていました。正直、自分的には出し切ったというくらいまで頑張って、『いけるかな?』って手応えもありました。だから、結果を聞いた時に『これは夢なのか?』と、信じられない気持ちでいました」

「もちろん、大賞を獲得された人たちは、みんなすごい素敵で大賞にもふさわしいし、当たり前だと思うんですけど、やっぱり自分でも手応えを感じていたから、余計に悔しいなと思いました」

 あまりにものショックで、ご飯が喉を通らなかったという織田さん。そんな時、実行委員会特別賞を受賞したという報せが、彼女のもとに舞い込んできた。

「特別賞の連絡をいただいた時は『みんなと頑張った証が、形として残るんだ!』と思ったら……嬉しかったですね」

「何より、あのステージに立って、みんなへの気持ちを伝えかったというのがいちばん強かったので、あそこに立たせてもらえることが本当にありがたいし、特別賞をいただいたことは感謝しかないです。正直、救われたなと思いました」

 そして、実行員会特別賞の受賞者として名前が呼ばれ、ファンの前に登場した織田さん。それまでは大賞を獲れなかった悔しさが心の中を支配していたが、一緒に走り抜け、応援してくれたファンの顔を見た瞬間、いろいろな想いが込み上げてきたという。

ステージに登壇した織田真実那さん

ステージに登壇した織田真実那さん

「コスチューム部門グランプリの表彰で立った時の景色と、個人で立った時とは……景色が全然違いました。想像よりも、みんながすごく近くにいるなと感じましたし、コスチューム部門は、すでにグランプリが発表されていてわかっていた結果だから、すごく嬉しいなという気持ちでいたんですけど、その後の特別賞は、感謝しかないです。やっぱり、みんなの顔を見ると……いろんな感情が出てしまいますね」

「私が特別賞でステージに登場した時に、みんなどう思うのかな……と。『よく頑張ったね』って思ってくれるのか、『こんなに応援したのに、大賞獲れなかったんだ……』と思われるのか……。正直、めちゃくちゃ怖かったです。もちろん、そんなことは思わないと信じていますけど、やっぱりいろいろなことを考えちゃいました」

「でも、いざステージに立ってみると、みんなの目を見て話すことができて、改めて、この機会を与えてもらって本当に良かったなと思います」

 大賞受賞者としてではないが、多くのファンが見守るステージに立って、感謝の気持ちを直接伝えることができたことで、織田さんの中でも心境に変化があった様子。約2カ月にわたる投票期間の中で、かけがえのない経験をすることができたと語る。

「この大賞で、学ぶことは多かったです。いつもは自分の気持ちをいうことが苦手で、『グランプリを獲りたい!』と言っても、まわりは『そう言っているだけで、どうせ獲れないんでしょ』と思われるんだろなと思っていたので、なかなか言うことができませんでした。だけど、こうして口に出すことも大事だということが今回わかりました」

「あと、ファンの皆さんとコミュニケーションをとることの大切さにも気づくことができました。毎日配信したりして、すごく大変ではあったんですけど、楽しかったですし、みんなのことをもっと知ることができて、みんなのことがもっと好きになりました。『私って、すごいありがたい場所にいるんだな』と再確認できた瞬間でした」

 2021年の日本レースクイーン大賞が終わり、織田さんの挑戦も一区切りを迎えることとなったが、心の奥底には“やっぱり大賞を獲りたい”という想いは消えていないようだ。

「でも、やっぱり……大賞は獲りたかったです。大賞に挑戦するのはこれが最後と決めて臨みましたが、今は『これで本当に終わっていいのか』という感じです。そこは、まだ自分の気持ちとの折り合いがついていない感じです」

「正直、今はまだ前向きに頑張るとは言えないですけど、これを乗り越えて、特別賞をいただけたことを誇りに思って、今年も前を向いて頑張っていきます」

「まず、2022年はチームのことをもっと考えたいなと思っています。どうしたら、チームの魅力を広められるのか? 私が力になれることは何かないか? と考えています」

「コロナ禍で私たちもサーキットでの仕事が減ってきているなから、何かさせてもらえること、お手伝いできることがあるんだったら、それを全力でお手伝いしたいなと思っています。今まで違う頑張り方で、過ごしていきたいですね」

 2022シーズンも、サーキットでの活躍が期待される織田さん。この日本レースクイーン大賞での得た経験が、きっと彼女をもっと成長させるきっかけとなるのかもしれない。

TEXT:Yoshita Tomohiro
 
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