サーキット走行を楽しむバイク女子レースクイーン葉月美優「レース中はライン取りばかり気になります!」

 2022シーズン、サーキットに登場するレースクイーンに迫る「RQインタビュー」。2022年第3回目のレースクイーンは、muta racing fairiesとしてレースクイーン3年目を迎えた葉月美優チャンが登場。バイク女子の彼女が見たレースの世界とは?
 
 

RQインタビュー 2022 Vol.3 葉月美優

Text:Yoshita Tomohiro
Photo:Tabuchi Satoru , Hazuki Miu

 今年も国内の各カテゴリーで多数のレースクイーンが活躍しているのだが、最近ではレースに興味を持って、自ら積極的に情報収集をしたり、自動車の運転免許を取得する人も少なくない。

 プライベートでもクルマやバイクを楽しむレースクイーンも増えているのだが、2022年もスーパーGTとスーパー耐久でmuta racing fairiesとして活躍する葉月美優さん。自らのオートバイでサーキット走行に挑戦する本格派だ。

3年連続でmuta racing fairiesを務める葉月美優チャン

 2020年からレースクイーンデビューとして活動を開始している葉月さん。だが、実はそれ以前からバイクに興味があり、自ら乗りこなすべく、二輪の免許を取得したのが、最初のきっかけだったという。

「私はもともとバイクが好きで、乗れたらカッコいいなと思っていました。(家だったら)原付だった大丈夫だったんですけど、原付だと時速30kmまでと制限されていて、ちょっと嫌だなと思って……親に内緒で二輪の中型免許を勝手に取ってきちゃいました! もちろん、めちゃくちゃ怒られましたね(苦笑)」

 最初は両親からだいぶ反対されたという葉月さんだが、バイクへの好奇心は止まることはない。オートバイ関係の雑誌にも度々出演するようになり、ついにはサーキットデビューも果たした。

「そこからバイクのお仕事もするようになって、ミニバイクのレースに出る企画があって、そこでサーキットを走って楽しいなと思いました。最初はやったことがないから不安だったんですけど、実際にやってみたらどハマりして……。そこから、どんどん進んでいった感じです(笑)」

「今はプライベートで中型のバイクを2台持っていて、そのうちの1台はサーキットでのスポーツ走行用に余分なパーツを外して軽くした仕様にしています。最近では大型(二輪)の免許もとりましたし、そろそろ大型のバイクもほしいなと思っています」

バイクに乗る葉月美優チャン

サーキット走行にも挑戦するバイク女子の葉月美優チャン

 もちろん、2輪のレースも熱心に見ており、世界最高峰のMotoGPはもちろんのこと、Jスポーツで放送されているワールスーパーバイクも欠かさず観ているとのこと。ここ数年はコロナ禍で開催が見送られている鈴鹿8耐についても「いつか観に行きたいです!」と、目を輝かせながら語っていた。

 そんな葉月さんが、レースクイーンを目指したきっかけが、写真展で出会った4輪レースのシーンだったという。

「レースの写真展があって、最初は2輪のレース写真を見に行ったんですけど、そこに4輪レースの写真も一緒に飾られていました。スーパー耐久富士24時間レースの夜の写真とか、他の4輪カテゴリーの迫力あるシーンとかがあって、そういうのに惹かれて『もっと近くで観たいな!』と思って、レースクイーンになろうと思いました」

 その念願が叶い、2020年にレースクイーンデビューを果たした葉月さん。特に自身も走行経験のあるモビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)に行くと、“気になること”だらけだという。

「実際に走ったことがあるサーキットは、4輪のレースでも見ていて面白いですね。『こういうラインで走るんだ!』とか『ここでブレーキングして、ギアを落とすんだ!』というのとかを、ついついチェックしてしまいます!」

「やっぱり2輪とはラインどりも少し違いますし、ドライバーさんの話を聞いて、新たに気づく部分もあるので、そういう目線で見るのも面白いなと思って……。いつもドライバーさんの話とかに耳を傾けて聞いていますね(笑)」

「もちろんレースクイーンの業務はちゃんとこなさなきゃいけないですし、そこは意識できていますけど、レースを観るときのポイントは他の子とはちょっと違うのかなと思います」

 ますますレースの魅力にハマっていっているという葉月さん。他の子とは違う視点で楽しんでいるからこそ、その面白さを少しでも多くの人に伝えていきたいと意気込んでいる。

「こういう面白さを伝えていきたいなとレースクイーンになってから思うようになりました。例えば、2輪に興味がある人を4輪にも引っ張ってこれたらいいなと思います。私にみたいに(4輪レースのことを)全然わからなかった人が、ここまで面白いと感じるようになったから、多分みんなもそう思ってもらえるかもしれないと考えています」

「実際に、以前から私のファンだった人の中にはレースに興味がないという人もいましたけど、私がレースクイーンになったことで、興味をもってくれてサーキットに行ってみようと思ってくれたり、Youtubeでレース映像を見てみようと思ってくれているらしくて、SNSで感想を伝えてくれる人が増えました。それを見て『興味を持ってくれているのかな』と感じることがあって、それは嬉しいです」

「でも、その伝え方は難しいなと思います。やっぱり、ルールがわかって、やっと面白くなるじゃないですか。ルールを教えたりしなければいけないときもあるし、それを自分でも分かっていなきゃいけないので……。どう発信していくのが良いのか、まだまだ考えなきゃいけないところなのかなと思っています」

 レースのことになると、すっかり熱が入り、話が止まらない様子の葉月さん。今後もレースクイーンとして、レースの魅力を伝えつつ、自身のサーキット走行という点でも目標はたくさんあるという。

「今までは筑波やもてぎで走っていましたけど、他のコースも走ってみたいなと思います。特に岡山国際サーキットは面白そうだなと思いました。あと鈴鹿サーキットも難しいコーナーがあると聞くので、どんな感じなのか体験してみたいです!」

「あと4輪に関しては、レースがしたいなとは流石に思わないんですけど、マニュアルの免許がほしいなと思っています。今はオートマ限定なので、今度はマニュアルの免許を取って、運転してみたいという気持ちが高まっていますね!」

 最近はレースが大好きで、自身が関わっていないカテゴリーをプライベートで観戦に行くレースクイーンも増えているのだが、自分自身でサーキットを走って、その経験を活かしているという人は少ない。

 だからこそ、葉月さんが発信するレースの魅力というのは、いつもとは違った視点で楽しむことができるかもしれない。今シーズンの活躍に、ますます注目が集まりそうだ。
 

■2022コスチュームギャラリー/葉月美優

 
■2022レースクイーンインタビュー
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