「このチームでの活動を通して地元福島の魅力を伝えたい!」レースクイーン3年目原あゆみの新たな挑戦

 2022シーズン、サーキットに登場するレースクイーンに迫る「RQインタビュー」。2022年第1回目のレースクイーンは、レースクイーン3年目となる原あゆみチャン。今年はリアライズガールズとしてスーパーGT、スーパーフォーミュラに登場するほか、「Team Fukushima」のレースクイーンとしてスーパー耐久シリーズにも参加します。地元福島のチームでレースクイーンを務める彼女が新たに感じた決意とは?
 
 

RQインタビュー 2022 Vol.1 原あゆみ

Text:Yoshita Tomohiro
Photo:Tabuchi Satoru

 2022年はスーパーGTとスーパーフォーミュラではリアライズガールズとして、スーパー耐久ではTeam Fukushimaレースクイーンとして活躍する原あゆみさん。

 昨年とは異なり複数のカテゴリーでレースクイーンを務めることになるのだが、特に自身の地元である“福島県”にゆかりのあるスーパー耐久での活動には、一際思い入れがあるようだ。

 2020年にレースクイーンデビューを果たした原さん。東京モーターショーでコンパニオンをしていた時、関係者に声をかけられたことが、モータースポーツ業界に入る最初のきっかけだったという。

「最初のきっかけは、東京モーターショーに出ていた時に、事務所のマネージャーさんに勧められたのがきっかけでした。その前からコンパニオンのお仕事をしていたのですが、一緒にやっている先輩がレースクイーンをされていて『カッコいいな』と思っていたんですけど、レースを観にいったことがなかったので……最初は『レースが好き!』というよりは『かわいいコスチュームを着たいな』という気持ちの方が大きかったですね」

「だから、実際に(レースの印象が)すごく変わりました! 昨年はスーパーGTだけでしたけど、本当に面白くて、もっとレースの魅力が広まってほしいなと思いましたね。レースの中継が地上波でなかったりするので、すごい残念だなと思いました。もうちょっといろいろ人に知ってほしいなと思いました」

 そう語る原さんだが、彼女がデビューした2020年は、ちょうど新型コロナウイルスの流行が始まり、スーパーGTでは感染防止対策として入場できる関係者を制限し、レースクイーンは前半4戦にわたってサーキットに立つことができなかった。そのため、原さんにとって1年目は「ほとんどサーキットに行けなかった」という印象が大きく、レースの魅力を知ったのは、2シーズン目となった2021年だった。

「昨年は全戦まわることができたのですが、そこでめちゃくちゃいろいろことを教えてもらいました。特に一緒に組んだ相方の相沢菜々子チャンのおかげで、すごくレースのことも勉強になりました。

「たぶん一緒じゃなかったら、いまだにわからないこともたくさんあったと思います。それこそ、礼儀とかもひとつひとつ教えてもらって、レースのことだけじゃなく、人として立ち居振る舞いなども教えてもらいました」
 

Team Fukushimaのレースクイーンを務める原あゆみチャン


 
 ますますレースの魅力にはまる原さんだが、2022年は新たにスーパー耐久シリーズでもレースクイーンを務める。そのチームは自身の出身地である福島県のチーム「Team Fukushima」だ。

 原さんは、このチームでの活動を通して、地元の魅力やモータースポーツの魅力を伝えていきたいと意気込んでいる。

「最初、このお話をいただいた時に『地元だ!』と思いました。福島の魅力を知らない人もたくさんいるとでしょうし、地震(東日本大震災)もあったので、復興のためにも少しでも何かできたら良いかなと思っています」

「福島の魅力を広めていきたいのと同時に、福島県内でもモータースポーツのことを知らない人は多いと思うので、県民の皆様にも広めていきたです」

 福島県といえば、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた地域で、このチームは震災からの復興の一環として、地元をもっと盛り上げていく狙いもあり、カーナンバーも「311」を使用している。原さんも当時は福島で被災し、様々な経験をしたという。

「ちょうど中学校の卒業式の日で、私の代が卒業ではなかったんですけど、式が終わって午後から部活のための準備をしていた時に地震がおきました。教室にいたんですけど、急に揺れて、みんなで急いで外に逃げました。その日はすごく晴れていて暖かかったんですけど、地震後に外に出たら風吹になっていて『これは地球が終わるんだ……』と思いました」

「私が住んでいた地域は福島のど真ん中のあたりで、津波とか原発の影響はそんなになかったんですけど、海側の方から避難とかで引っ越してきた友達もいました。今年で11年経ちましたけど、まだ家に帰れていない子もいます」

「最初とかは風評被害もありましたし、福島県外に引っ越しちゃった人とかもいました。もしかすると、遠くの地域の人とかの中に『福島はちょっと行かないほうがいい』という感じで思っていらっしゃった方もいたかもしれません。そういうのをなくすためにも、福島の魅力を伝えていけたら良いかなと思います」
 

開幕戦鈴鹿でチームを応援した原あゆみチャン


 
 震災から11年が経ったが、まだ完全に復興したとは言える状況ではないとのこと。それでも、福島県には語り尽くせないほどの魅力が詰まっている。

「福島は自然もすごく豊かだし、東京からも近いので、帰省しやすいですし、コロナが流行する前は日帰りで帰省していたこともありました。東京へ遊びにいくのも、気軽にとはいきませんが、友達と計画して週末に1泊とかで遊びに行くことはありました。だから、新幹線の駅もあるので、東京から福島に来るというのも、そんなにハードルは高くないのかなと思います」

「観光名所は大内宿ですね。その集合地帯があって、観光地ではあるんですけど、本当に昔のままの家が残っています。そこの食べられる“ねぎそば”はぜひ食べて欲しいですね! 1本のねぎを使ってお蕎麦を食べるという……ちょっと想像はつかないでしょうけど、私はオススメです!」

「あと、桃が有名です!桃と聞くと岡山や山梨を連想する人が多いと思いますが、福島は桃の収穫量が全国で2位に入るほどで、特に“あかつき”という桃が美味しいです。毎年、実家から送ってもらいます!」

「できれば、震災が起こる前以上に盛り上がってほしいなと思っています。そもそもの福島の魅力を、この活動を通して知っていただきたいです!」

 Team Fukushimaでの活動に、かなり気合いが入っている様子の原さんだが、同時にレースクイーン3年目を迎えるということで、“先輩”としての自覚も芽生えつつあるようだ。

「昨年はまわりに引っ張ってもらったというか、ついていくのに精一杯でした。今年はレースクイーン3年目になり、事務所には後輩の子も入ってきました。昨年までに学んだことを(後輩たちに)伝えていきたいですし、先輩として何かできることがあればいいなと思っています。あとはチーム福島のメンバーとして地元の魅力を発信しつつ、福島県内にもモータースポーツを広めて、この業界を盛り上げていきたいなと思います」

 新たなきっかけを得て、今シーズンの活動に向けて、より一層力が入っている様子の原さん。その活躍から、目が離せない。
 
 
■2022コスチュームギャラリー/原あゆみ

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