父の影響でレースクイーンへ。日本RQ大賞新人部門受賞の名取くるみ「もっと経験を積んで、いろんな人に知ってもらいたい!」

 今シーズン、サーキットに登場するレースクイーンに迫る「RQインタビュー」。第16回は、グラビアアイドルとしても活躍し、2021年にレースクイーンデビューを果たした名取くるみチャン。彼女が体験したレースクイーン業界とは?
 
 

RQインタビュー 2021 Vol.16 名取くるみ

Text:Yoshita Tomohiro
Photo:Tabuchi Satoru

 レースクイーンを目指したきっかけというのは、人それぞれだが、最近は家族の影響でモータースポーツを知り、そこからレースクイーンを目指す人が増えている。2021年のスーパーGTでPacific Fairiesとして活躍する名取くるみさんも、そのひとりだ。
 

Pacific Fairiesとしてレースクイーンデビューした名取くるみチャン

Pacific Fairiesとしてレースクイーンデビューした名取くるみチャン


 
「父がモータースポーツ(二輪)をやっていて、それがきっかけで私もこの業界に興味を持ちました」

「物心がつく時から、父にサーキットとか走行会に連れて行ってもらっていました。私の小学校の送り迎えもバイクで、私がランドセルを背負ったままヘルメットを被って、父の後ろに乗って、家に帰っていましたね(笑)」と笑顔で幼少期の頃を振り返る名取さん。
 実際に自身がバイクに乗ることにも挑戦してみたいと思ったそうだが、さすがに家族から反対されたそうだ。

「だから、小さい頃からバイクとかモータースポーツが身近にあって、関わりはありました。実際に私も乗ってみたいなと思いました」

「当時は免許が取れる年齢ではなかったので、ポケバイに挑戦したい!と言ったんですが、父もバイクで怪我をした経験があるので……母に猛反対されました(苦笑)。でも、いつかは乗ってみたいですね!」

 最初は父親の影響でバイクやレースに関わっていたことが多かった名取さんだが、学生時代に転機が訪れる。父親が参加した“Taste of Tsukuba”でキャンペーンガールをしたことで、レースクイーンへの興味が湧いた。

「それこそ最初は、父をはじめ、父のつながりで交流のある人たちのレースを近くで見たいなという理由で、“Taste of Tsukuba”のキャンペーンガールのオーディションに受けようと思ったのが、いちばん最初のきっかけでした。そこから、徐々に興味が湧いて本格的にレースクイーンをやりたいなと思いました」

 グラビアアイドルとして注目を浴び、2021年のミスFLASHグランプリを受賞した名取さん。その年にスーパーGTに参戦するPacific Fairiesとしてレースクイーンデビューを果たす。

 コロナ禍ということで、レースウィーク中のイベントに制限はあるのだが、国内で最も人気あるレースに圧倒されている様子だ。

「やっぱり迫力が違いますね! いつも観ていたのが二輪のレースばかりだったので、レースに携わっている規模が全然違うなと思いました」

「ただ、コロナ禍でスーパーGTも通常通りの開催になっていないですし、ファンの皆さんとも十分に接することができていません。まだまだ私自身分からないこと、経験できていないこともあります。だから、まずは通常通りの開催に戻ってほしいなと思っています」
 グラビアアイドルとして活躍する名取さん。レースクイーンとグラビアアイドルでは、“ポージング”の部分では役立つ部分もある一方で、悩むことも少なくないという。
 

Pacific Fairiesとしてレースクイーンデビューした名取くるみチャン

Pacific Fairiesとしてレースクイーンデビューした名取くるみチャン


 
「ポージングは、グラビアとレースクイーンとではぜんぜん違います。レースクイーンの場合は正面にしてもバックショットにしても“スッ”と立つイメージがありますけど、私は無意識的に(グラビア撮影のように)前かがみになってしまいます」

「あとで写真を見て『ヤバイな』と反省もしています。でも、カメラの前で自然にポーズができるという部分では役に立つ部分はありますね」

「グラビアの経験も少ないんですが、グラビアでミスFLAGH2021のグランプリを獲らせていただいて、それがきっかけでスーパーGTのレースクイーンになることができました」

「グラビアもそうですが、すべてのことが何かにつながっているし、必ず見てくれている人がいるんだなと改めて感じることができたので、ひとつひとつの仕事を蔑ろにしちゃいけないなと思いました」

 今年夏に行われた日本レースクイーン大賞新人部門を見事受賞した名取さん。周囲からは祝福の声も多くあったというが、本人は“もっと努力をしなければいけない”と、改めて気づかされた瞬間だったという。

「新人賞の獲得については、もちろん、みなさんからの祝福の声もいただいて、すごく嬉しいです。でも、私の本音としては『おめでとう!』という感じではないんですよね」

「やっぱり“上には上がいる”という現実をみせられたので……。この結果を受けて『もっと頑張ろう!』という気になりました」

「日本レースクイーン大賞はもっと自分自身が経験を積んでから挑みたいなと思います。新人賞というのは一度しかチャンスがないので『やらないと!』という気持ちになりましたけど、大賞となると素晴らしい先輩の方達がたくさんいらっしゃるので、まずはそこに並べるようにもっと努力しなきゃなと思っています」

 そんな名取さんの憧れは、元レースクイーンで、今は女優やモデルとして活躍している菜々緒さんだと語る。

「もっとたくさんの方に知っていただけるように、まずは自分自身、いろんなことで発信していくのが、いちばん大事だなと思っています」と、今後のレースクイーン活動に向けて、さらに意欲をみせていた。
 
 
■2021コスチュームギャラリー/名取くるみ


 
 
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