体調不良を乗り越え、もう一度サーキットへ……小越しほみ「ファンの皆さんがずっと励ましてくれたから、また帰ってきたかった」

 今シーズン、サーキットに登場するレースクイーンに迫る「RQインタビュー」。第7回は、日本レースクイーン大賞を2度受賞した小越しほみチャンが登場。約2年ぶりに帰ってきたレースクイーンへの想いとは?

RQインタビュー 2021 Vol.7 小越しほみ

Text&Photo:Yoshita Tomohiro

 開幕戦から激しいバトルが繰り広げられている2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。そこに参戦する各チームを応援するべく、今年も多くのレースクイーンがサーキットに登場している。

 そんな中、毎回“レジェンドレースクイーンをサプライズ起用し、話題を集めているB-Max Glory Girls。第1戦富士では桃原美奈さんが電撃復帰したが、第2戦の鈴鹿では小越しほみさんが久しぶりのレースクイーン姿を披露した。
 

B-Max Glory Girlsとしてスーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿に登場した小越しほみさん

B-Max Glory Girlsとしてスーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿に登場した小越しほみさん


 
 過去にD’stationフレッシュエンジェルズやにゃんこ大戦争ガールズなど有名ユニットで活躍し、2017年、2018年と2年連続で日本レースクイーン大賞を受賞するなど、第一線で活躍していた小越さん。しかし、2019シーズンの後半に体調を崩してしまい、レースクイーンの業務を離脱することになってしまった。

「まずは自分の体がどうなるのかという不安もあったんですけど、急にレースクイーンとして出られなくなってしまって、いろんな意味で消化不良でした。やっぱり『サーキットに行きたい』という気持ちはありました」

 しばらくの間は自宅療養に専念するなど、体調回復に努めていた小越さん。コロナ禍の影響も受け、2020シーズンも大好きなサーキットに行くことができず、辛い思いをしながら日々過ごしていたという。

「レースクイーンとして参加できないことが、けっこう辛かったです。でも、テレビで見たりとか、ネットのニュースなどで情報を集めたりして、今自分ができることをやって参加しようと思っていました」

「実は2020年もスポットとかで出たいと思っていたんですけど、コロナ禍の影響で、スポットどころか年間で務めている子たちもサーキットに行けないみたいな状況でした。だから『ちょっと厳しいかな……』と諦めかけていた部分もあったので、今年、サーキット復帰が決まった時はびっくりしたし、嬉しかったですね!」

 レースの現場にやってきたのは約1年半ぶりだったが、終始テンション上がりっぱなしという様子で、サーキットで過ごす週末を満喫しているのが、その一挙手一投足から伺い知ることができた。

ひさびさにグリッドに立つ小越しほみさん

ひさびさにグリッドに立つ小越しほみさん

「(久しぶりのサーキットは)すごい嬉しいです! やっぱり、ずっと来ていた場所だから、こんなに久々になるとは思わなくて……。本当に懐かしいという気持ちもありましたし、サーキットでしか会えないファンの方もいらっしゃるので、コロナの影響で距離はある状態ですけど、久しぶりに皆さんの顔を見れて『みんな元気だ!』と、こっちがテンション上がっちゃいました(笑)」

 週末を通して笑顔が絶えない様子だった小越さんだが、レースクイーンの業務に関してはブランクが空いてしまっていることもあり、事前の準備も大変だったという。

「そもそもレースクイーンって何やってたっけ? 何から準備していたっけ? というところか始まりました(笑)。ちょっと参加していない期間があるとわからなくなっちゃうので、先輩に相談したりとかしていました」

「今回はスーパーフォーミュラでしたけど、あまり行ったことがないカテゴリーでもあったので『どんな感じだったっけ?』と思い出すところから始まりました。YouTubeでいろいろな映像を見たりして、思い出していました」

「SFライツは完全に初めてだったので『どうしよう?』ってなって、それこそももんが(桃原美奈)さんに聞いたりとかしていましたね」

 今ではレースのことにも詳しくなっており、毎回欠かさず勉強しているという小越さんなのだが、RQデビュー当初はまったくと言っていいほど無知だったという。それでも、様々なチームに携わっていく中で『チームを応援したい!』という気持ちが強くなっていった。

「最初1年だけレースクイーンをやって、その後しばらく空いて“復帰”という形でサーキットに戻ってきたんですけど、その時はTEAM SARDのレースクイーンとしてみんなでレースを見ていて、どのレースがというわけじゃないんですけど、すごい良いチームで『応援したい!』という気持ちになりました。それがきっかけで、レースもどんどん好きになっていきました」

「特に2019年はトムスでレースクイーンをさせていただきましたが、初めて応援しているチームが優勝するという経験もしました。それまでは、どちらかというとユニット活動がメインだったから、トムスのレースクイーンをさせてもらった時は、純粋にレースを見るというのも面白いなと思いました。だから……もっと見たかったし、もっと近くで応援したかったなと思いましたね」

 ちょうどレースの魅力や醍醐味を知って、サーキットへ行くのが楽しみのひとつになっていた小越さん。だからこそ、体調不良で大好きなサーキットへ急に行けなくなり、自宅療養中はやり場のない思いを抱えながら、悶々と過ごすこともあったという。

 そんな時、心の大きな支えとなったのが、ファンから届く応援のメッセージだった。

「私は突然行けなくなってしまったのに、正直けっこう落ち込んでいました。それでも、ファンの皆さんは信じてくれて、ずっと励ましてくれました。やっぱり、それがあったから『またみんなに恩返ししたいな』という気持ちもあって、また(サーキットに)来たいなと思っていました」

 今後のサーキットでの活動に関しては、体調面も十分に考慮しなければいけないこともあり、現状ではどのレースに参加できるかは未定とのこと。それでも、初心に戻る気持ちで、レースクイーンを務めていきたいと、気を引き締めていた。

 そして小越さんは療養中も変わらず声援を送ってくれたファンに対し、感謝の気持ちを繰り返し伝えていた。

「本当に本当に……ファンの皆さんには感謝しています。皆さんの励ましの声があったから頑張ることができたし、またここに来たいなと思うことができました。本当に、皆さんありきの私かなと思って、とても感謝しています!」

「おかげで、こうやって、また戻ってくることができて、逆に少しでもみんなに元気というかパワーを、今度はこっちからも与えられたら良いかなと思っています」

 今年もコロナ禍の影響でファンとレースクイーンとの交流に制限がかかっている状態ではあり、特に小越さんに関しては毎戦サーキットに来られるというわけではないが、また元気に活躍する姿を披露してくれることを期待したい。

■コスチュームギャラリー/小越しほみ


 
 
■2021レースクイーンインタビュー
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