憧れのキャラクターになりきるため、応援するチームが勝利を手にするため……霧島聖子が語る“プロとしてのこだわり”

 今シーズン、サーキットに登場するレースクイーンに迫る「RQインタビュー」。第11回は、人気ユニットのWedsSport Racing GalsとエヴァンゲリオンレーシングRQを務める霧島聖子チャンが登場です。グラビアでも活躍する彼女のレースクイーンとしてのこだわりとは?
 
 

RQインタビュー 2021 Vol.11 霧島聖子

Text:Yoshita Tomohiro
Photo:Tabuchi Satoru
 
 
 後半戦へと突入した2022シーズンの国内モータースポーツ。今年も各カテゴリーで多くのレースクイーンが活躍し、コロナ禍で制限はあるもののサーキットに華を添えている。今回のRQインタビューでは、今やレースクイーンのみならず、グラビアアイドルとしても活躍する霧島聖子さんにスポットを当ててみた。
 
 2021シーズンのモータースポーツでは、スーパーGTでは2021 WedsSport Racing Galsに抜擢され、スーパー耐久とD1グランプリではエヴァンゲリオンレーシングRQ2021 (真希波・マリ・イラストリアス役)として活動している。
 
 これまではSUBARU BRZ GT GALS BREEZEやD’STATIONフレッシュエンジェルズなど、人気レースクイーンユニットでの経験を持つほか、最近ではスーパーGTのGT500クラスのレースクイーンを務めるなど、実績も豊富だ。
 
 そんな彼女だが、2021シーズンは密かに抱いていた“夢”をサーキットで叶えることができたという。それがエヴァンゲリオンレーシングRQになったことだ。
 

エヴァンゲリオンレーシングRQの真希波・マリ・イラストリアス役を務める霧島聖子さん

エヴァンゲリオンレーシングRQの真希波・マリ・イラストリアス役を務める霧島聖子さん


 
「私、趣味はゲーム・アニメ・コスプレなんですけど、その中でもアニメは小さい頃から本当に大好きだったんですよね。エヴァンゲリオンシリーズもずっと観ていて、追っていた作品だったので……エヴァRQになることが夢だったんです!」
 
「ここまで作品に登場するキャラクターに合わせて、こだわっているコスチュームもなかなかないです。やっぱりレースを知らない友達とかも、エヴァンゲリオンレーシングのことは知っているので、その一員になることができて、本当に最高ですね」
 
 今年の3月に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの最終作が公開され、25年続いたシリーズが完結を迎えた人気アニメのエヴァンゲリオン。
 
 そのタイアップとしてプロモーションタイアップとして2010年に誕生したのがエヴァンゲリオンレーシングだ。スーパーGTや鈴鹿8耐などに参戦し、2021年はD1GPとスーパー耐久にシリーズ参戦する。
 
 今年、霧島さんは真希波・マリ・イラストリアス役に抜擢。実際のキャラクターはふたつに分けた赤茶色のロングヘアと赤縁のメガネをかけているのが特徴だが、そこもこだわりをもって再現している。

「やっぱり、自分のこだわりでもあるんですけど(キャラクターとは)外れた色にはしたくないんですよね。マリの髪色が赤系の茶髪なので、こういう色にしています」

「カラコンもあまり派手すぎるとコスプレ感が強くなるので、このコスチュームに合わせた“マリっぽい”カラコンをつけています。ファンの方からみても『マリだ!』って思ってもらいたいですからね」

 そういった細部へのこだわりが功を奏し、開幕戦から周囲の評価も上々だという。

「エヴァンゲリオンレーシングRQになるという発表があった時は、あまり(マリの)イメージがないと言われていました。でも、実際にコスチューム姿で登場したら『ありだよね!』という声をメディアさんだったり、友達からも言ってもらいました。その度に心の中でガッツポーズしています」

 今シーズンはスーパーGTでも、WedsSport Racing Galsとして活躍中の霧島さん。同カテゴリーでのレースクイーンは6年目となるのだが、国内最高峰のレースで、チームにいちばん近い位置で応援できることに、喜びとやりがいを感じているという。
 

スーパーGTではWedsSport Racing Galsを務める霧島聖子さん

スーパーGTではWedsSport Racing Galsを務める霧島聖子さん


 
「私は2016年からスーパーGTのレースクイーンをしていますが、最初の2年はSUBARU BRZ GT GALS BREEZEを務めさせていただきました。あそこはチームとファンとの一体感がすごいんですよね。そこで近くで応援することで、チームの皆さんの想いだったり、努力だったりというのを身近に感じることができて、その気持ちが報われる瞬間というのも、すごく感動的です。やはり、チームの近くで応援できるというのがレースクイーンの特権ですね」

「2019年からGT500クラスのレースクイーンを務めさせていただいていますが、その最初の年に応援したチームがチャンピオンを獲ったんです。それを間近で応援できたことが嬉しいですし、今年の第2戦富士で19号車がポールポジションを獲ったので、その時も嬉しかったです」

「あと、これもレースクイーンの特権ですけど、(スタート進行で)グリッドボードを持っていて、マシンがグリッドに着く瞬間は、本当に特別な瞬間で、いつも泣きそうになるんですよね。あれは、レースクイーンしか見られない光景ですし、改めてレースクイーンをやっていて良かったなと思いました」

「レースクイーンは華やかなだけではない部分もありますが、すごくやりがいがあるなと思っています。憧れている以上に楽しい仕事なんだなと感じています」

 応援するチームが活躍するように、スポンサーのPR面はもちろんだが、サーキット内での一挙手一投足にもこだわりを持っている霧島さん。特にレース前のグリッドでは、メディアやファンの写真撮影の対応をするのも仕事なのだが、同時にドライバーに傘をさす役割も担っている。

「これはドライバーさんに言われて気づいたことなんですけど、タイのラウンドだったりとか、真夏の時は、頭に日が当たらないようすることを気にして傘をさしていました」

「でも、なかには照り返しで暑いから、足の方もカバーしてほしいと言われたことがありました。だから、暑い時は頭だけじゃなくて足元にも日差しが当たらないように気にしたりするようにしています」

「あとスタート進行の時は、レースに向けて気持ちを切り替えていくドライバーさんが多いと思うんですね。私も、そこは大事にしたいと思っています。ドライバーさんができるだけ集中できるように、気配を消すような感じにしています」

 こういった細かな気配りが、最終的に勝利につながっていく原動力のひとつになっているのかもしれない。

 現状に満足せず、さらに新しいことを吸収して成長しようとしている霧島さん。レースクイーン歴も多くなってきたこともあり、今後は後輩を引っ張っていく存在になりたいと語った。

「レースクイーン6年目になるので、まわりの子のお手本になりたいなと思っています。エヴァンゲリオンRQの中でも、私が最年長で歴もいちばん長いはずです。なので、みんなをまとめたり、リーダーシップみたいなものを身につけていきたいですね。それと同時に、またチームのそばで勝利を願っています!」

 ファンへの対応のみならず、チームの一員としてレースクイーンがどう関わり、役に立つことができるかを常に意識している霧島さん。きっと、このスピリッツは、後輩たちにも受け継がれていくことだろう。
 
 
■2021コスチュームギャラリー/霧島聖子


 
 
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