2022年の新人部門グランプリに輝いた七瀬ななが語る“今後の目標”「レースクイーンといえば……という存在になりたい!」

 2022シーズン、サーキットに登場するレースクイーンに迫る「RQインタビュー」。2022年第8回目のレースクイーンは、7月に日本レースクイーン大賞2022新人部門グランプリを獲得した七瀬ななチャンが登場。彼女が思い描く未来図とは?
 

RQインタビュー 2022 Vol.8 七瀬なな

Text:Yoshita Tomohiro
Photo:Tabuchi Satoru

 毎年スーパーGTに初登場のレースクイーンが挑んでいる日本レースクイーン大賞新人部門。ファン投票で人気レースクイーンを決めるこのイベントで、2022年はエントリーした42名の中から、Pacific Fairiesの七瀬ななさんが新人部門グランプリに輝いた。

「(表彰から1カ月以上が経って)実感も湧いてきています。改めてみんなで頑張った結果だなと感じて、今も嬉しい気持ちでいっぱいです」と、表彰式のことを振り返る七瀬さん。

 表彰式当日は、前年の新人グランプリに選ばれた同じPacific Fairiesの川瀬もえさんから発表があったのだが、名前が呼ばれた瞬間、七瀬さんは緊張の糸が切れたかのように大粒の涙を流した。

昨年のグランプリでチームメイトの川瀬もえチャンからグランプリのトロフィーを受け取った七瀬ななチャン

「あの時は(ステージに)立っているのもやっとなくらい緊張していました。発表の時にもえちゃん(川瀬もえさん)が、けっこう溜めて言ったので、心の中では『早く言って~』と思いながらいました。『七瀬ななさんです!』と名前が呼ばれた時は、嬉しさと安心感が同時に来て、泣いてしまいました(笑)」

「でも、こうして改めて振り返ると……投票期間はすごく長く感じました。ファンの皆さんとも『長いけど、頑張ろうね』と言いながら、過ごしていました」と、プレッシャーとの闘いだった投票期間を思い出しながら、笑顔で振り返る七瀬さん。

 地元の福井県から今年3月に上京し、スーパーGTのレースクイーンデビューを果たした。もともとレースクイーンになりたいという想いはあったそうだが、スポットで参加したスーパー耐久の現場で、新たな目標が芽生えたという。

「最初はレースクイーンとして立てればいいなと思っていたのですが、スーパー耐久の現場だとスーパーGTで活躍されているレースクイーンの方々もいらっしゃって、そこで私も『スーパーGTのレースクイーンになりたいな、もっと頑張ろう!』と思ったのが、きっかけでした」

「やっぱり、スーパーGTでレースクイーンをしている方のところには写真を撮りにくるファンの方も多いですし、みんな凄く可愛くてキラキラしていました」

 早速、今年はスーパーGTでレースクイーンを務めるチャンスを手にした七瀬さん。ただ、プライベートではレースに関わることがほとんどなく「小さい頃に、お父さんに連れられて鈴鹿サーキットにレースを観に行ったことがあります。ただ、けっこう小さかったのであまり覚えていないですし、すごく音が大きくて、泣いてしまったそうです(苦笑)」とのこと。

 レースには、そこまで興味はなかったようだが、初めてスーパーGTの迫力やパドックに漂う緊張感を肌で感じ、徐々にその魅力に引き込まれ始めている様子だ。

「岡山の開幕戦で、初めてスーパーGTを観たときは『(クルマが)速いな!』と思いました。スーパー耐久もそうですけど、現場の緊張感もすごいので、私自身スーパーGTで初めてレースクイーンとして立ったときは、凄く緊張していました」

「スーパーGTは、お客さんも多いですし、私はコロナ禍のピットウォークしか経験していないのですが、それでも全然人の数が違いました。特に富士戦の時はグランドスタンドが埋まっていて『すごい!』と思いました」

「あと、スーパーGTは年間8戦しかないじゃないですか。その中の1戦1戦のために、チームの皆さんがすごく時間をかけて色んな調整をして、いろいろな方々が関わっていて、その一員になれているのがめちゃめちゃ嬉しいです」

「レースクイーンとしてでも『私も関わっているんだ!』と思うことはよくあります。チームの内側を見て、一緒に戦っている感覚を味わっています」

「それこそ、開幕戦は『ここにいていいのかな?』という感じでした。とにかく邪魔にならないようにしていましたけど、第2戦の富士からは自分から発信して、チームのことをもっと皆に知ってもらおうという気持ちになりました」

 それと同時に、レースのルールやチームごとの戦略面にも興味を持ち始めているという七瀬さん。サーキットに行くたびに、知識も徐々に増えていっているとのことで、ファンとの会話でもレースの話をする機会が増えてきたとのことだ。

「予選にQ1とQ2があるなど、基本的なことはわかっていたのですが、その中でも天候に合わせてタイヤはこうした方が良いとか、そういう細かい戦略の部分とかも、(チームの人から)教えてもらったり、聞いたりしていて『レースって面白いな』と思うようになって、もっと深いところを見るようになりました」

「レースクイーンが好きなだけじゃなくて、レースが好きなファンの方もいて、撮影会の時とかにレースの話になるんですけど、『ななちゃん、レースのこと分かってきたね!』と言ってもらったりとか、そこからさらに深いことを教えてもらったりとかします」

「やっぱり、スーパーGTは必ず何か波乱があって、どこかのチームで何かトラブルが起こってしまいます。それがGTの特徴のひとつというか、ついつい注目して見てしまうところですね。なんでそれが起こってしまったのか?とか、そういうのは注目して最近は見ています」

「第4戦富士の時も9号車がトラブルで予選走れなくて、メカニックさんの頑張りで一晩かけて復活して、すごいなと思いました。私はその時、現地にいられなかったのですが、TwitterとかYouTubeとかを見て『決勝走れるんだ! すごい!』と思いながら、チェックしていました」

 また、Pacific Fairiesのメンバーには、2021年の日本レースクイーン大賞で二冠を達成した川瀬さんがいる。何をやるにしても初めての経験で、戸惑ってばかりだったという七瀬さんだが、“頼れる先輩”のアドバイスも、かなりの助けになったという。

「3月のお披露目撮影会の時に初めて(川瀬)もえちゃんに会ったんですけど、その時は『……本物だ!』と、感動しました! そのときは緊張して、ちゃんと話しかけられなかったですね(苦笑)。でも、今では一緒にTik Tokを撮ったり、写真を撮ったりするような仲です」

「もえちゃんは、私が積極的に聞けないのを察してくれたのか『新人賞どう?』とか、もえちゃんの方から声をかけてくれました。『私の時はこういうことを頑張ったよ』とか、『ファンのみんなにも、こういうふうに協力してもらって……』と、いろいろアドバイスをしてくれました」

「私は、今まで賞レースとか、配信にも力を入れたことがなくて、まったく初めての経験ばかりで、何をしたらいいのかわからない状態でした。すごく事細かにアドバイスしてもらって、それ通りにやったことが結果につながったのかなと思います。これからも、もっともっといろいろなことを知っていきたいなと思います」

 チームメイトの協力もあり、見事新人グランプリを勝ち取った七瀬さんだが、レースクイーンとしてのキャリアは始まったばかり。今後の目標について質問すると、このように語ってくれた。

「私は、ずっとレースクイーンをしたいなと思っています。まだまだ1年目ですけど、5年後も10年後も(レースクイーンを)できていたらいいなと思います。少なくとも5年後もやっていて、『レースクイーンといえば七瀬なな』という存在になりたいです」

 これから、どのように成長を遂げて行くのか。七瀬さんの活躍から、目が離せない。

■2022コスチュームギャラリー/七瀬なな

 
■2022レースクイーンインタビュー
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